個人間の原付バイクの譲渡・売買手続きの方法をわかりやすく解説
メルカリやメルカリアッテ、ジモティーやヤフオクなど、今は個人間でバイクの譲渡や売買を行う機会が増えています。でも手続きって具体的にどうやるの…?
今回は初めての方にもわかりやすく、50ccから125ccまでの原付の手続きについて解説します!
Contents
こんな方に役立ちます
- 50cc~125ccまでのバイクをお持ちの方
- いらないバイクを他の人に譲りたい方
- いらないバイクを他の人に売りたい方
- バイク屋さんを通さずに個人間でバイクを手に入れたい方
まず、126㏄以上の排気量のバイクについては、譲渡、廃車などの手続きに違いがあります。
この記事の対象者は125㏄までのバイク(スクーター、ギア付き車問わず)までです。
個人間で譲渡する場合(基本)
ではストーリー仕立てで、譲渡する場合の流れを見てみましょう!
今回は、川崎さんが、家にある50ccのスクーターがいらなくなったので、知り合いの鈴木さんにあげよう、と考えたという設定です。金銭が関係する売買も、この「譲渡」の方法を覚えておけば問題ありませんので、進めていきましょう。
原付バイクを譲りたい川崎さん視点
川崎さんはまず、バイクにナンバーがついているかついていないか(自走できるか)をチェックします。
もしナンバーが無ければ、「廃車されている」ということで譲るのは簡単です。下の「廃車されていない場合」を読み飛ばして、譲渡手続きを読んでください。
廃車されていない場合
ナンバーがついていたら、まず1点確認することがあります。
- 譲る相手の市が市内
- 譲る相手の市が市外
譲り相手の市が市内の場合は簡単なのですが、市外の場合は廃車手続きをする必要があります。今回は「譲る相手が市外」のパターンで書きますが、市内同士の名義変更だけであればこちらを読んでください。
では、川崎さんが市外に住む鈴木さんに原付を譲る流れを引き続き見ていきましょう。
ナンバープレートは、「ナンバー+標識交付証明書」という形で「市」から支給されます。ナンバーがついているということは、どこかに標識交付証明書があると思います。それを必ず探してください。
川崎さんは
- 外したナンバー
- 標識交付証明書
- 印鑑
の3点をもって、住んでいる町の市役所に行き、市民税務課に行きました。そこで「原付バイクを廃車したいんですけど…」と係りの方に言うと、所定の申告書を渡されます。
言われるとおりに申告書に記入し、外したナンバーと標識交付証明書を返却、無事に無事廃車手続きをしてもらえました。
廃車後に、譲渡手続き
廃車後に、新しい所有者の鈴木さんへバイクを「譲渡(名義変更のこと)」することになります。
この譲渡手続きには、原付バイクを受け取る側の市の指定する「譲渡証明書」に記載することが必要です。
原付バイクを譲る鈴木さんは、隣町に住んでいるので、鈴木さんの市の「譲渡証明書」を手に入れる必要があります。
川崎さんは鈴木さんの市の譲渡証明書をネットから手に入れて、必要事項を記入し、書き終えた譲渡証明書を鈴木さんに渡します。
譲る側の川崎さんの手続きとしてはここまでやれば、バイクをそのまま鈴木さんに渡して大丈夫です。
市内間での取引の場合
参考までに、川崎さんと鈴木さんが同市に住んでいた場合は、廃車手続きの項目がいらなく、そのまま譲渡証明書を使って「名義変更」することになります。
譲渡証明書で市役所に申請したら、名義変更は済んでいます。原付バイク自体はいつ鈴木さんに渡しても大丈夫です。
受け取りたい鈴木さん視点
日常の足として原付バイクが欲しかった鈴木さん。ちょうど川崎さんがいらないバイクがあるということで、譲ってもらえることになりました。
川崎さんは隣の市に住んでいるので、まず川崎さんの持っているスクーターを廃車処理してもらうことが必要です。鈴木さんはこの辺りは何もできることが無いので、待っています。
参考:市内間での取引の場合
もし、旧所有者の鈴木さんと川崎さんが同市内に住んでいた場合、一般的に廃車手続きは不要です。住んでいる市の「譲渡証明書」に鈴木さんと川崎さんの署名と認印があるのを確認して、市民税課へ行きましょう。
その際に、バイクの中に入っている「標識交付証明書」もお忘れなく。
廃車処理をしてもらえたら
川崎さんから廃車処理が完了した、と聞いた鈴木さん。
鈴木さんは早く乗りたいので、何かできることはないかと考えた結果、自分の市の譲渡証明書に早く記入して、川崎さんに届けることにしました。こうすれば、川崎さんに必要事項をすぐに書いてもらえます。
川崎さんからの印鑑ももらい、譲渡証明書を完成させることができました。
自分の市の市民税課でナンバー交付
鈴木さんは、譲り受けたスクーターにナンバープレートをもらうために、市民税課に向かいます。そこで持っていたものは
- 譲渡証明書
- 廃車証明書
- 印鑑
の3点。これをもって市民税課に行くと、「標識交付申請書」を書くことができます。鈴木さんの市ではナンバープレートの柄と番号を選ぶことができたので、好きな番号をリストから選びました。
混んでいなかったので10分ほどの短時間で、無事に「標識交付証明書」を手に入れた鈴木さん。しかし、もう一つ非常に重要な手続きが残っています。原付の「自賠責保険」です。
自賠責保険の加入方法
中古のバイクを譲渡・売買するときには、バイク屋さんで強制加入が求められる「自賠責保険」に入ることができません。
でも大丈夫。今は、セブンイレブンやファミリーマートなどのコンビニで「原付の自賠責保険」に即時加入することができるんです!
鈴木さんは、近くにあったセブンイレブンの機械で2年間の自賠責保険を購入。その場ですぐに書類を作ってもらえました。
こうして、無事にナンバーも自賠責保険も入れたので、今回の取引は無事に終わったのでした。
メルカリアッテやジモティーなどで売買する場合
さて、基本的な取引の手順は上に書いた通りなのですが、フリマアプリやジモティーなどの個人売買の場合はどのように手続きしたらいいのでしょうか?
お金はいつ受け渡す?
原付バイクの取引としては、上に書かれている通り。ではお金のやり取りはいつするべきでしょう?
ポイントとしては、なるべく行き来しないようにするのが理想ということ。もし市外の人との取引だと、基本的に廃車(ナンバー変更)手続きが必須なので、郵送で書類を取引するのもアリです。
その場合、現車のカギを渡すタイミングで金銭取引が一番安全です。
原付の譲渡や売買によるQ&A
自賠責保険の残りはどうなるの?
気になる譲渡時の自賠責保険。残りがある場合は、特に手続きをしないでもそのまま有効です。
というのは、自賠責保険は「人」にかかる保険ではなくて、バイクそのものにかかっている保険なんですね。
もちろん登録時には名前を書いているので、新所有者になったら名義変更をしておいた方が個人情報保護の考え方から安心です。
名義変更の方法は、自賠責保険の資料に「サポートデスク」のような0120から始まる電話番号があると思うので、そちらに「元所有者」が電話するのが簡単です。
「新所有者」が主体で変更手続きをするのは、余計な提出物が増えてしまうので気をつけましょう!
個人間の譲渡ではなく、バイク屋に売り払う時の手続きは?
今回は個人間の手続き手順を考えましたが、バイク王などの企業にバイクを売る時にはどんな手続きが必要なのでしょう?
実は個人間より簡単で、売却予定の電話をしたら
- 標識交付証明書
- 自賠責保険証
- 印鑑
- 身分証明書
だけを用意しておけば、手続きができてしまうようです。個人間の取引と違うのは、印鑑と身分証明書だけあればすぐに売れるということですね。(標識交付証明書と自賠責保険証はバイクの中に入っていることがほとんどですし…)
バイク屋に売る方が楽な理由として、たとえばバイク王では「買取証明書」を出張査定後に発行してもらえるので、これが面倒な手続き代行の効果になっているようです。
さらに、トラックで運んでくれるので自走する/自走しないも問題にならないのも手軽な手続きのキモになっています。
個人間の譲渡はメリットもあるけど、その分面倒なことも多い…ということですね。
原付きの譲渡手続きのまとめ
それでは長くなりましたが、今回の記事のまとめです。
- 市内での取引は「譲渡証明」だけでOK
- 市外の人との取引は「廃車」「相手の市の譲渡証明」が必要
- お金のやり取りは、現車のカギと交換で支払うのがベター
バイクの実車だけのやりとりだったら楽なのですが、税金の支払いや保険関係で譲渡(名義変更)や売買(金銭の関わる名義変更)はちょっと大変ですね。
でもその分、個人間での取引は「安く買える」「高く売れる」というメリットもあるので、この記事を参考に頑張って譲渡を体験してみてください。良い原付ライフを!